いかのひかり  2001年〜 イカ釣り漁船反射板開発開始

暗闇の海に浮かぶ輝く光の集団、そう、それはイカ釣漁船の「漁り火」です。
その「漁り火」が、人工衛星からも見える事を皆さんもご存知でしたか?
私どもは、長年、この「漁り火」・・・集魚灯に関わる仕事に従事してきました。
この光による地球環境への影響を懸念しつつ、光効率の悪さにも疑問を抱いてきました。
時代の進歩と共に、漁法も手釣りから機械(イカ釣機)へと変わり、電球も白熱球からハロゲン球・メタハラ放電灯へと進歩を遂げ、今やイカ釣り漁船など今では最大一隻あたり180kw(180.000w)の強力な光で操業しています。
これは普通の家庭用40w蛍光灯4.500本分と、気の遠くなるような明るさなのです。
しかし、この「漁り火」は、海中を泳ぐイカや魚を集める目的のものですが、実際は3分の2近くの光が空へと拡散しています。
一部の漁師さんは、この光の拡散(船の回り全体が卵型に光る)が、漁獲に大きく影響すると信じておられるようですが、どうも根拠はないようです。
私どもは、この上空に逃げる光エネルギーを、環境のために効率よく海中に向けることができないか思案しておりました。この程、イカ釣り集魚灯用反射板(試作品)が完成いたしましたので、実際にイカ釣り漁船に装備し、その効果についてこのコーナーで紹介していきます。


2001年9/29 地元で操業するイカ釣り漁船に反射板の取り付け工事を行いました。





9/29

18:30



反射板点灯装着テスト

PH01
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<6.6トンイカ釣漁船>

発電機容量 60KVA

3000wメタハラ放電灯15灯
合計45000w(45kw)
9/29 PH02
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<装着電球

ホクトライティング製
3000w球




9/29

19:00




PH03
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点灯開始
9/29

19:30
PH04
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<比較対称テスト>

反射板装置(右より1灯目)
反射板なし(右より3灯目)
9/29 PH05
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<15灯点灯テスト

反射板装置(右より7灯目)


2001年10/20 3kw放電灯14灯分の反射板を準備し点灯テストを行いました。


10/20














14



反射板なし
7 反射板付
(左から
6灯目は
反射板なし)
PH08 反射板上部(マストに上り)撮影 反射板付

11/5









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漁獲量
(当日他船
水揚げ
平均値より)
1日目 2日目 漁獲量については、シケが続きデータ不足ですが、
なかなか好調なスタートのようです。

しかし、この漁獲が反射板によるものとはまだまだ断言できません。
上部への光のもれについては、反射板を取り付ける事によって
かなり少なくなっているようです。

その分、光は水平方向から下部へ広がり、海を明るく照らしています。
漁場では、装着船の45kwの光が約70kw〜80kwくらいの卵型見えると、
僚船の船主が話していました。
(一部の漁師さんは、この光の拡散(船の回り全体が卵型に光る)が、漁獲に大きく影響すると
信じておられるようです。)
3倍 1.5倍



11/12
漁獲量
(当日他船
水揚げ
平均値より)
3日目 4日目 先週もシケが多く出漁できたのは、また2日だけでした。
装着船は、合計4日の操業ですが平均して僚船より水揚げがあるようです。
この時期、玄界灘では、そろそろ夜イカ漁が終わります。
漁場が遠くなり水深が深くなるので、県内規制の45KW照度では
イカが集まらなくなるのです。
11月1日より昼イカ漁が解禁になり、現在夜から昼へと漁を切り替える
船が増えているようですが、
船主さんは12月も夜イカ釣でデータ収集に
協力して頂けるようお願い致しました。
来週は、僚船も装着の予定です。
1.0倍 1.2倍
11/19
漁獲量
(当日他船
水揚げ
平均値より)
5日目 6日目 今週は、2日とも僚船と同じくらいの水揚げでした。
1.0倍 1.0倍
12/3
長崎県対馬の業者さんのご協力により、19トンイカ釣漁船に反射板を設置(12/9予定)することになりました。
この船は、60灯(180kw)の装備をしていますが、まず、25灯に反射板を取付ける予定です。
次回の更新でご紹介します。
12/10 12月8日反射板20枚を持って対馬に行きました。予定していた船(19トン)は、電球と電球の間隔が狭くて準備していた反射板は取付けできませんでした。しかし、僚船9トンが、漁場の都合で60灯中、20灯で操業しているとの事でこの船20灯分に反射板を装着しました。
16トンイカ釣り漁船
発電機400KVA
3000w 60灯装備 





ごらんのように電球間隔が25cm位のため反射板は装着できませんでした。




次回は、60灯用のものを製作するつもりです。
僚船9トン

発電機200KVA
3000W60灯装備







この船は、対馬の20灯規制ラインでの操業ということで、12月9日に装着しました。

ONY(DSC-S50)にて撮影

※福岡県では、イカ釣協議会の申し合わせにより、 イカ釣漁船1隻当たり3kw球15灯(合計45kw)の制限がある


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